ビルバオはグッゲンハイム美術館が来るまでは鉄の街として、巨大工業地帯を形成していた。しかし、鋼工業の衰退とともに新たな魅力作りが求められた。
そこで生まれたのが、グッゲンハイム美術館と川沿いのプロムナードである。
おそらく工場が並んでいたであろう川沿いの幅数百メートルのプロムナードは歩行者と自転車とトラムだけの道であり、トラムの軌道から川岸まで芝生が植えられている。緩やかな川のカーブに沿って歩いていくと、いくつもの橋が見えてくる歩行者専用の橋も多く、どれも工夫された橋だ。いくつか橋を過ぎると巨大な灰色の塊が見えてくる。グッゲンハイム美術館だ。
大きくうねる壁。そこに張られた無数のチタンは、厚さ数ミリしかない。その数ミリの表面が曇り空の弱い光を反射し、夜には炎の揺らめきを映しながら、巨大な壁になる。
ゲーリーの作品はパリにもある。アメリカンセンターとして建てられ、今はシネマテークになっている。ここにいったときも感じたことだが、ゲーリーの建物は不思議なところから光が落ちてくる。建物の中なのに突然光が降ってくることがあるのだ。
グッゲンハイムもそうだった。夕暮れ時、曇りが晴れて、一瞬光がホールへと入ってきた。普通なら屋根で覆われているべきところが、夕暮れ時の夜の迫ってくる群青の空を映し出し、そこから入った光が同じくうねりながらも、白く塗られ、外壁とは異なる表現をされた曲面の内壁に様々な影を落としていた。
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