リヨン二日目はフィルミニに行ってきた。
リヨンから電車で1時間半。駅に着くと、すぐ町の中心に出る。小さな街だ。
この街に近代建築の巨匠ル・コルビュジェの遺作。フィルミニの教会がある。
遺作といっても完成したのは最近で、コルビュジェの存命中は建築が難しすぎて施工できないまま、1階部分だけを完成させて工事が中断していた。それが2005年現代技術を駆使してついに完成したという代物である。

この教会は周囲のランドスケープの盛り上がりと、教会の角の丸い四角形が呼応して、全体としてやわらかい、やさしい感覚を受ける。前日にカラトラバのリヨンサトラス駅を見て感じた緊張感とは全く逆のものである。青い空と打ちっ放しのコンクリートが良く合う。
あまりに気持ちよくて、ずっと外から眺めていたら、
あ、時間がない!!
しかも、チケットは教会内では買えず、まず周辺のコルビュジェの建築群を見ないとこの教会にたどり着けない!!!越境モード(全力疾走をパリ組みではそう呼んでいる)発動。10分で他の建築を走り抜けて、教会へ、20分しかない!!
入り口で受付のお兄さんが博物館から見るように指示。時間が無いよーー。と思っていると。
お兄さん、「あ、でも今なら光があるかもしれないよ。教会のほうから行ってごらん。」
ラッキー時間もないし、一石二鳥だ。入り口脇の階段から協会内部へ。そこで出会ったものは!!


ーーーーきれい。
細い光の筋が幾重にも重なって、斜めの屋根の内側に落ちる。静かな堂内を満たす光、周囲の壁にぐるっと回る光の筋、走ってきてれた息遣いがうるさくて、息を止める。ぱたりと止まった時間。
この光は何なのだろう。屋根に開けられたオリオン座をかたどった丸い穴から入ってきているようだが、なぜそんなふうに細長く伸びるのか分からない。穴に取り付けられてサッシュに反射した光か??
なぞは深まるばかりだったが、一瞬にして時間は過ぎ去り、もう電車の時間。せめて光の原因を見つけたかった。でも、しょうがない。
俺「不幸にも、もう行かなければなりません。電車の時間なのです。」
受付のお兄さん「もうですか??分かりました。あなたにプレゼントがあります。」
そう言って、彼は奥の戸棚からコルビジェの解説本を取り出し、僕に手渡す。それは商品として並べられているものだった。
「帰りの電車で読んで下さい。これで、あなたのこの教会への滞在時間が少しでも伸びるでしょう?」
感激!!
教会のデザインも優しいが、受付の人はもっと優しい。感動したまま、僕はリヨンへの帰りの電車に乗り込んだ。思い出に残るリヨン旅行になった。