サント・ジュヌヴィエーヴ図書館には入れず、明日に持ち越しとなったが、
あとの教会3つには入ることができた。
まずはパリで最初に作られた鉄骨造の教会。9区にある。名前は忘れた。
明るい堂内には、ちょうど午後の日差しがバラ窓から差し込み、細い柱の間を抜けて奥へと光が届く。緻密な幾何学と、ビビッドな色で埋め尽くされた堂内は、プラハで見たシナゴーグに良く似ていた。古典(ゴシック)の石造の教会を直接的に鉄骨造に読み替えた、古典の模倣としての鉄骨教会。
ここで、古典の模倣といっているのは、鉄という新しい素材が現れた時代に、始めは新しい素材を使って、アーチやドーム、リブなど古典、ゴシックの模倣が行われ、次第に鉄独自の細さや、ボルトを生かしたデザインなどがなされていったという考えで、今日の3教会では鉄が建築(特に教会)の中でどんな風に受容されていったのかを見ようという目論見があるからなのだ。
二つ目はSt. Augstin教会。オースマンの都市改造に伴って、サンラザール駅の西に新たなアイストップとして建てられたもので、一つ目より古く、バルタールという建築家のデザインによりパリで2番目に完成した鉄骨教会である。
最後は1900年前後に建てられた鉄骨教会。これが今日の3教会で最も新しい。
3つの教会では、徐々に鉄の鉄としての特性が発見されていったことが分かるが、それに対して教会の空間構成の変化があまり見られなかった。ラブルーストの旧国立図書館も古典の模倣としてのドームである。最初の教会のように、古典を鉄という新素材を使って模倣することで、柱が細くできるなど、新たな空間性を獲得することもできる。しかし、古典の模倣とは一線を画した、新たな素材による新たな空間性の獲得、アールヌーヴォーの出現までは、さらに数年を待たなければならなかった。 (※追記 アールヌヴォーにはガラスという素材が欠かせなかった。このガラスが近代建築の明るさを生み出した。さらに、アールヌーヴォーにおいて鉄は装飾としての使用に過ぎず、新たな空間性の獲得とまでいえるのか。むしろラブルーストのドームには古典の模倣を超えた新しさがあるようにも思える。)
今日みたいに分かりやすいテーマを立てて建築を見ていくのはいいと思う。比較もしやすいし、明日ラブルーストのサント・ジュヌヴィエーヴ図書館を見る、旧国立図書館や今日の3教会と比較できるんじゃないかな。
ちなみにパンテオン横のバロック教会も面白かった。堂内に渡されたテラスが印象に残っているが、薄暗いチャペルも良かった。協会には薄暗さが必要なのだと改めて感じた。
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