確か2日だったか。今年最初の建築めぐりはパリ北東の郊外、ル・ランシーだ。
この街にはオーギュスト・ペレのルランシー教会がある。
この教会は本当にきれいだった。
鉄筋コンクリートを発明した?ペレがその構造を使って設計した教会。
鉄筋コンクリートとは思えないほど細い柱と、ヴォールト屋根。
プレキャストのブロックタイルを外装に使い、そのタイルの穴ごとに色つきのステンドグラスが埋め込まれている。
堂内はひんやりとして、窓の外の明るさで、ステンドグラスが光って見え、赤や黄色、青の輝く屏風にぐるっと囲まれた様な感覚。
きれいだなと思ってステンドグラスを眺めていると、突然日光が雲間から除いて、堂内に日が差し込んできた。
すると、とたんに雰囲気が変わった。外の世界の音は消え、しづかな森に黄金色の光が木々の間から差し込み、張り詰め、冷えた空気を、ダイヤモンドダストのようにさらに輝かせ、震えた空気はどこまでも広がる森の中に響いていく音のない音楽のようだ。森のなかに規則正しく並べられた椅子は、森の奥の青と群青に赤と緑がちりばめられた光の中を向いている。
鹿児島のザビエル記念聖堂も同じように、ぐるっとステンドグラスに囲まれていた。そのときは赤い光が南から入って青い正面の壁と赤い世界の対比がすばらしかったが、ルランシー教会のような空間の広がりは感じなかった。むしろ光と色で満たされた小さく丸い卵の中のようなイメージ。
この教会はむしろ森だ。
見るものを、無限の森をさまよう子羊に変えてしまう、魔力を持った教会だった。
ね
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